第90話

「か、からかわないでよっ!」




そう言うのが精一杯だった。





あまりの恥ずかしさに




「寝るっ」とタオルを枕にして、陸に背を向けて横になった。







だけどうるさいくらいに拍動を続ける心臓は





あたしを寝かせてくれるわけもなく





ただ目を閉じているにすぎなかった。







それを知ってか知らずか陸はあたしの背中に話しかけてくる。




「おい、弁当まだ残ってるぞ?」




「…あたしいっぱいだから、よかったら食べて」

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