第9話
「同じ高校の人?」
「あぁ同じクラス」
ふたりともキレイで、
雅弘と同じ高校ってことは、頭もいいんだろう。
あんな人たちが、
雅弘の周りには、
うようよいるんだ。
また少し、不安になった。
しばらくして、さっきの女の子のひとりが、雅弘のところに来た。
「どうしても、わかんないとこ、あるんだ」
「いいよ。
伊織、ちょっと待ってて」
そう言って、あたしの頭を撫でた。
彼女がニヤッと笑ってあたしのほうを向いて、
「ちょっと雅弘、借りますねー」
何気なく言った彼女の一言だけど、
なんだか、おもしろくなかった。
あの人も雅弘のこと、好きなのかも…。
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