第14話

10月10日。


私は父に車で名古屋空港まで乗せてってもらい、遠くへ行ってしまう紫織を見送った。  


よそ行きの紺色のワンピースが紫織によく似合っていて、可愛らしかった。


「いつか、また会いに来るから」


「うん、私も大人になったら、北海道に会いに行くね」


「待ってるよ。

 ラベンダー、見に行こうよ」


「うん。

 ねぇ、覚えてる?

 いつか2人で、私の叔父さんの『WITH』みたいな店やりたいねって話してた事」


「もちろん。叶うといいね、その夢」


私達は涙をいっぱい浮かべながら、だけどそれを落とさないようにして、再会の約束をした。

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