第15話

今はまだ、私達は子供だから、親の都合に振り回されて生きる事しか出来ないけれど。  


自分で自分の道を選べる時が来たら、絶対にまた会おうね。


打ち合わせ通り、私達は「さよなら」という言葉を口にしなかった。


どちらもかなり引きつっていたけれど、精一杯の笑顔で別れた。


紫織の乗った飛行機が飛び立った瞬間、それまで堪えていた涙が一気に溢れ出した。


「頑張ろうね。 

 また会う日まで」


小さくなって行く飛行機を目で追いながら、私は紫織と自分自身にエールを送った。


-END-

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ラベンダーの約束 @keiko323

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ