第8話

そのまま保健室に行って、私はズボンとパンツと生理用品を借りた。


すぐにトイレで血だらけの体操ズボンとパンツを脱ぎ、清潔なものに着替えると、ようやく私は落ち着きを取り戻す事が出来た。


トイレの個室から出た私の目に、手洗い場の前でボーッと突っ立っている紫織の姿が映った。


「上田さん、ありがとう。

 びしょ濡れになった吉本と澤田見て、何かスッキリしたよ」


私がそうお礼を言うと、紫織は初めて笑顔を見せて、小さく首を横に振った。


「私も初めての時そんな感じで、みんなにバレちゃったから・・・

 もしかして、初めて?」


「うん、実は・・・多分、学年で1番遅いんじゃないかな」


「そっか。仕方ないよね」


そう言う紫織が、何だか急に大人の女性のように見えた。

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