第3話
玄一は優しすぎる。だからでしょ?私が選ばれないのは
だから居なくなったら私が選ばれるんだよね?
手にはベタベタとベタつくどす黒い液体が着いている。
目の前には仰向けで倒れる男……いや女
―――――――――――――――――
朝、玄一は材料を買うために外に出ていた。その途中で道に人だかりができていた。
「なんやろか」
人だかりを掻き分け注目の的を見る
それは良く来てくれる客だった
「は……?」
と声にならない声を上げた時、後ろから抱きつかれる
「どうしたんですか? 玄一」
抱きつかれた手を振り払い後ろを見る
どす黒いオーラを纏った出禁になった元"客"
「お前さん……どないしてそな黒い渦巻いてはりますの?」
「なんで……て。あんたのためなのよ? 分かるでしょ? 好きでも無い女に付きまとわれて、それを助けたのよ」
「……は?」
「だってそうでしょ? 」
「冗談よしとくれやす」
と刺激しないように優しく言うが、意味はなかった
「玄一も……洗脳されてるのね……私と一緒に心中しましょう!!ええ!!それがいいわ!!!」
大声で叫ぶ用に言う。
町奉行がやってきて引き取られる
「覚えていてね!!!絶対」
「……きしょいなぁ」
「え?」
「誰があんたのこと、いちいち覚えとくんや?アホらし」
「……」
玄一はそう言い捨て遺体に近づき手を合わせた
「すまんかった」
―――――――――――――――――
おまけ
成瀬は不服に思っていた
何故、俺はモテなくて、
俺の何処が悪いんだよぉ……
現位置に聞いてみてもどうせ
「そないな事、自分で考えられへん?」
とか言われるだろうしよぉぉ……
はぁ
と、玄一の茶屋で玄一の事を待っていると、外から複数の女性がこちらを見ていた。
もしかしてぇ?俺の事かなぁ?
女性に近づき話しかける
「どうした?」
「あの……」
もしかして???
「玄一さんはどこにいますか?」
ほらまただよ……
「か、買出し中です……俺でよければ一緒にお茶します?」
「あ……大丈夫です」
クソだよ。この世界は
こうなったらやけくそだ。道を通った女性を片っ端から声をかける。
「え? 玄一さん? どこって?」
「ちょ、ちょっと待って! そんなに急いで行かんでもええやん!」
バタバタと後を追うが、女たちはさっと身を引く。
「……なんでや……」
そう呟いた時、後ろから小石が飛んでくる。
「ナンパばっかしてるから嫌われるんやで、アホ。」
振り返ると玄一が冷めた目で見ていた。
全敗……
この日から成瀬は嫌われることになったのだった
「まぁ……その頑張りだけは認めたるわ」
すると成瀬はパァと明るくなり、
「やっぱ持つのは玄一だよぉ……」
幕末暗殺伝 wkwk-0057 @wkwk-0057
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