第46話
愛丸は胸が詰まった。
清一郎は誰よりも自分を理解してくれているのに、それを忘れていた自分がとても情けなかった。
「俺って馬鹿だな…始めっから兄貴に隠すことなんてなかったのに…ちゃんと話せば分ってくれない訳無いのに……」
そう呟くと、愛丸は零について全ての事を清一郎に打ち明けた。
清一郎は零に指紋が無いことに気付いてから在る程度は予想していたらしく、意外と冷静だった。
「それで、本当に愛の体に害は無いんだな?」
話しを聴き終えた清一郎はそれが一番気掛かりなようだ。
「うん。それは大丈夫だと思う」
「そうか、なら良い。だが…少しでも愛に害があるようなら零には悪いが直ぐに出て行ってもらう。いいな」
「分った」
念を押す清一郎に愛丸はきっぱりと答えた。
「じゃあ早速明日からメニューを考え直さないとな」
清一郎の顔がにまぁ~と緩む。
「何でだよ、別に今迄と同じで良いだろ?」
愛丸は何となく嫌~な予感がして眉をしかめる。
「いいや、愛が貧血にでもなったら大変だ、これからはレバーとかホウレン草とか嫌いな物もちゃんと食べて貰うからな」
「え~そんなぁ…」
「これで愛の好き嫌いも少しは無くなるだろ。レイ様々ってとこかな」
神様に お・ね・が・い motomaru @motomaru7
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。神様に お・ね・が・いの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます