第39話
「ええ。とても良く」
「そう、良かった。掃除…してたの……?」
愛丸は何処と無くぎこちない。
「はい。何か、私にも出来る事をと思いましたので」
零がにこやかに答えた。
「零って…エスパーなんだね……」
考えてみればテレポート出来るのだから当り前といえば当り前なのだが、愛丸は今頃になってそんな事を尋ねている自分が少し間抜けに思えた。
「これもマスターを守る為に備えられた力です」
「そう……でも、人前では使わないほうが良い。普通に暮らしてれば此処では俺を守る必要なんて無いから」
「分りました。そうします」
零は愛丸の真剣な眼差しから何かを汲み取ったのかハッキリとそう答えたのだった。
愛丸は零を見詰めたまま黙って頷いてから「おいでよ、兄貴がご飯にしよう…って…」
と言ったところで、改めてさっきの事を思い出した。
それで愛丸は「零は…どうする……?」と困惑した顔で尋ねた。
それなのに零はニッコリ微笑むと、「それでは御一緒しましょう」といとも簡単にあっさり答えたのだった。
「えっ、でも……」
愛丸は益々困惑してしまった。零は一体どうするつもりなのだろうと心配になってくる。
「大丈夫、良い事を思い付きましたから」
そう言って零は悪戯っぽく笑った。
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