　清一郎が夕飯を温め直している間、愛丸は椅子に座ってミリアを眺めながら考え事に耽っていた。

(消化器官が無い？一体どういう事だ……？)

愛丸は頭を悩ませる。この地球では、動き回る生物なら消化器官と消化機能を兼ね備えているのが普通である、いくらミリアが未知の世界から来たエイリアンとは言え、そのどちらも持ち合わせていないというのはどう言う事なのだろうか？

(と、言う事は……もしかして植物人間？まさかね……)

それは、考えられなくもないが、あまり的をえているとは思えない。

擬態や保護色といった類いのものは動物に限られているし、ましてやミリアの様に自らの意志で色素を変化させる事など、植物では到底考えられる事ではない。

しかし、ミリアがエイリアンという未知の生物であることを思えば、ほんの僅かな可能性も否定する事は出来ないのだ。

(消化は出来なくても吸収は出来る筈だよな……生きてるんだから、何等かの形で栄養を吸収する筈だし……あ、そうか、液体！液体なら……そうか、きっとそうだ……)

愛丸は、一つの答えを見出したが、それは飽くまでも推測に過ぎなかった。

ミリアについての詳しい事は何一つ知らないのだから、あれこれ思いを巡らせても仕方がない、本人から直接訊くのが一番手っ取り早いだろう。

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