第10話
愛丸は考え込んだ。清一郎一人ならまだ何とか説得する事も出来るだろう、だが周りの人間も、となると難しくなってくる。
(どうしよう……)
考えてみたところでコレばっかりはどうしようもない。
「その事なら御心配には及びません」
心配する愛丸に、ミリアがニッコリ笑ってそう言った時、ミリアの体に変化が起き始めた。
愛丸が見ている前でミリアの体の色が次第に変わっていく、鈍色だった皮膚が白っぽくなったかと思うと、今度は徐々に赤味を増して終いには愛丸の肌の色と同じ色になっていた。
色だけでは無い、質感までも地球人のそれと変わりは無かった。
「ミリア……」
愛丸は眼を見開いて唖然としていた。ミリアには驚かされる事ばかりだ。
続いて、今度は眼の色が変わり始めた。金色の目が段々白くなるにつれて、紫色に透き通った瞳は茶になり、瞳孔が現れていた。
「すごい……凄いよミリア、これなら大丈夫だ!」
「私は共生形ですから、マスターに合せて体の組織と色素をある程度変化させることが出来るのです。でも……」
「でも、どうしたの?」
愛丸は言葉を促す。
「髪だけは……色素が通っていないので、変化させることが出来ません」
「ああ、それなら大丈夫。地球人にも白髪ってのが有るから」
愛丸が笑って言った。
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