第8話
「認識番号?そっか……エイリアンだから名前が有るとは限らないよな……良いよそれで、それ教えて」
「承知しました。私の認識番号は、082745-168330941-00です」
「08274…長すぎる……」
愛丸は閉口してしまった。こんなに長い番号を一々呼べる訳がない。
「他は?何か無いの?ニックネームとか、ペンネームとか、何でも良いから、誰かに呼ばれてたとか……」
「コードネームと言うものが……」
「なんだ、早く言ってくれよ、それで?」
「コードネームはガシュミリアルハルテンと申します」
「ガシュ…やっぱり長い……」
愛丸はそう思った。
「では、ミリアと呼んで下さい。マスターもそう呼んでいましたから」
「マスター?マスターって、まだ他に誰か居るの?」
愛丸は少し驚いて尋ねた。
「いいえ、私一人です」
「でも、今……」
「マスターは亡くなりました……この航行の間に……」
「亡くなった?……あ……」
愛丸はエイリアンであるミリアの顔に悲しみの色が浮かんだ様な気がして、少し心が痛んだ。
「それで……それからずっと独りで……?」
「ええ」
ミリアは短く答えた。
「淋しかっただろ…独りぼっちだなんて……」
愛丸は他人事とは思えなくて瞳を潤ませた。
愛丸も両親を亡くしている、まだ幼かったとは言えその時の悲しみは今でもよく覚えている。
身近な者を失うのはとても辛い、そういう気持は愛丸にもよくわかるのだ。
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