第7話

「驚かせてしまって、申し訳ありません」

 ややあって、愛丸から離れたエイリアンが突然口を開いた。

しかも、それは何と日本語だったのだ。

「エッ……言葉…分るの……?」

愛丸はエイリアンが日本語を話した事に戸惑いながらも、少し安堵した。

どうやら友好的なエイリアンらしい…

「はい。貴方の脳から直接言語学習をさせて頂きましたので」

エイリアンはそう言ってニッコリ微笑んだ。

「あ……さっきの……?」

愛丸はつい今し方の出来事を思い浮かべながら何気なく呟いた。

「意志の疎通を図るにはこうする外なかったのです」

「たったアレだけで!? 」

愛丸が驚いて小さく叫ぶと、エイリアンは軽く頷いて見せた。

額を付けていたのはほんの僅かな間だったというのに、たったそれだけの間に日本語を習得したと言うのだろうか?それが本当ならこのエイリアンはとてつもなく高度な知性の持ち主と言う事になる…

「あの…あ、そうだ名前……俺は、あ、いや、僕は阿比古 愛丸。君は?」

やはり初対面の者?には名前を名乗るのが礼儀と言うものだ。

「名前……?」

エイリアンは少し戸惑っている様だ。

「名前だよ、ホラ、そのォ…他人と区別するというか……」

「名前に当るかどうか分りませんが、認識番号なら……」

愛丸の問いにエイリアンはそう答えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る