第6話
いつの間にか、額に菱形をした何か、金属の様な物が浮かび上がっている。愛丸は唾を呑んだ。
何かに魅入られた様にエイリアンを見詰めたまま目を逸らす事が出来ないのだ。
エイリアンは、そんな愛丸にゆっくりと近付き、両手を延ばして愛丸の頬を包み込んだ。
生温かい様な、それでいてひんやりとした様な何とも言えない感触が伝わってくる。
「オ、俺なんか食べても旨くないよっ、筋肉質だし…絶対まずいから……アッ、うあっ!! 」
パニックに陥った頭で訳の分らない事を口走る愛丸にエイリアンは顔を近付けて来た。
(もう…だめだ、やられる……)
愛丸は硬く目を閉じて歯をくいしばった。
だが、愛丸の予想に反してエイリアンは何の危害も加えようとはしなかったのだ。
ただ、自分の額を愛丸の額に軽く押し当てただけだったのだ。
身を硬くしていた愛丸は、それに気付いてうっすらと目を開けてみた。
間近にエイリアンの顔が有る。
エイリアンは額を押し当てたまま目を閉じていた。
どの位そうしていただろう、それはほんの短い間に過ぎなかったが、愛丸にはその何倍にも感じられた事は言うまでも無い。
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