第4話
(多分、此の辺じゃないかと思うんだけど……)
愛丸は、木の陰から辺りの様子を窺った。しかし、これといった変化は見受けられなかった。
「おっかしいなァ…この辺じゃないのか…?」
愛丸は首を傾げた。
そこへ、何か微かな音が聞こえてきて、愛丸は直ぐさま耳を澄まし全神経を集中して音のする方向を探そうとした。
が、その必要は無かった。
音がした直後に異変は起こったのだ。
目の前の空間に、突然〔コ〕の字形を縦にした様な亀裂が現れて柔らかい光が漏れ始めたかと思うと、段々と広がって長方形を形作っていった。それはちょうど、風景写真の一部を四角く切り抜いた様に、そこだけ周りとは全く別の空間が存在していた。
それがUFOの入口である事は間違いない。愛丸は固唾を呑んでその入口を見詰めていた。
すると、直ぐに光の中に黒い影が現れて外へ降り立った。逆光なので良くは見えないが、人の形をしている事だけは確かだ。
(エイリアン……!? )
愛丸は息を潜めた。
それから暫くして入口が閉じると、そこは又何事も無かったかの様に樹々が生い茂るただの裏山に戻ってしまった。
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