第48話

仕事だから当たり前だけど、ここは理央を探してくれる。

理央を探してほしいあたしを認めてくれる。

窮屈な施設と違ってここは息がしやすい。


理央を心配することも帰ってきてほしいと願うことも許されない施設と違ってずっと居心地がよかった。



「…ありがとう。あぁ、そうだ。新しく食材買っておいたんで冷蔵庫入れておきますね。」


優しく微笑んだ壱さんはもう片方の手で持つ買い物袋を見せた。


「ありがとうございます。あ、あたしが冷蔵庫に入れますよ。」


慌てて壱さんを止めるがヒラリと躱される。


「大丈夫。それよりもほら。あいつが煩いから。」


壱さんの指差す方向を見ると、


「そういう雑用は壱に任せて、ほら早く!」


必要な調理器具を揃えた七彩がダイニングテーブルをバンバンと叩いていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る