第42話

―――――なんてことがありはしたが、今のところ比較的穏やかに過ごせている。






「行ってくるよ。」


お座なりに朝食の食器を洗うあたしの耳を透き通った声が掠めた。

声のする方を見るとグレーのカーディガンを羽織った理人さんが部屋の扉に凭れかかっていた。

食器を洗う手を止め、理人さんの方へ駆け寄る。


「考え事でもしていたの?…何度かノックしたんだけど。」


「ぼーっとしてただけです。今から大学ですか?」


部屋にある時計を見ると時刻は9時過ぎ。

なんと大学生だった理人さんは大体いつもこの時間に出かける。


「うん。今日は少し帰りが遅くなるけど、ちゃんとご飯はここで食べるから。」


「わかりました。」

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