第41話

「俺たちは信じていいんですよね。」


壱さんは頭を下げた状態で見上げるように理人さんに視線を向けた。


その声は、どこか頼りなくて


「…過去とはもう決別したと、信じていいんですよね。」


覗く蒼い瞳は弱々しく揺れていた。


それは遠まわしな忠告であり、牽制。

そして願望。


そんな壱さんを見下ろす残酷な男は小さく喉で笑うと 








「…それは僕には分からないな。」


――――――挑発的に口角を上げた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る