第33話

報酬金を用意できなかったあたしの落ち度だし、何を言われても仕方ない。


「僕と一緒に住んでもらうよ。僕の身の回りの世話をしてもらうために。」


―――――いや、やっぱり頭おかしいと思う。


「僕、ここに住んでるんだけど家事とか一切…できないんだよね。」


「ま、待って待って理人君、ほんとに何言ってんの!?」


「君の案件はそれほど難しいものじゃないと思うから…とりあえず2週間。」


「若、落ち着いてください。さすがにそれはどうかと思います。確かに身の回りのこと自分ではできてませんけど、」


「それに…あの手紙の送り主が何者かも分からないし、すべてが解決するまでは住所の割れてる施設よりここにいるほうが安全だと思わない?」


必死に抗議する壱さんや七彩を無視して淡々と続ける理人さんは、最後にそう言ってあたしを見る。


確かにその通りなんだけど、……何だか尤もらしい理由をつけて言いくるめられてるような気がしてならない。

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