第13話

「到着です。」


恐ろしく長く感じた地獄に終止符を売ったのは運転手の一言だった。


…やっと上手く酸素を吸えた気がする。


フルスモークのせいで到着、と言われてもどこについたのかは分からない。


黒髪短髪に促されて車から出ると、そこにはコンクリートタイルのビルがそびえ立っていた。

それほど大きいビルという訳ではないが曇り空と相まって異様な雰囲気を醸し出していた。



看板もプレートもないので一瞬空きビルかと思ったが理人さんを先頭にツーサイドアップたちもそのビルの中に入っていく。


ここが鬼蜘蛛の事務所……基、拠点なのだろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る