第14話

理人さんたちに続いて中に入るとだだっ広いエントランスが広がっていた。


しかし、受付台やシュガーバイン、黒塗りの一人がけ用ソファがいくつかあるものの照明はおろか窓のブラインドも締め切られていて真っ暗だ。


従業員?らしき人影も見当たらない。…というか、人の気配が全くしない。


不気味なエントランスを通り階段を登ると“Close”と書かれたプレートが下げられた扉があった。


ドアノブに手をかけた理人は一度止まって後ろを振り向くと―――――






「改めて鬼蜘蛛の巣へようこそ、野良猫さん。」


二重の大きな瞳を妖艶に細めた。

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