第16話 俺のハーレムが「俺(転生前)」に妨害される話し(Ⅰ)

 ダンジョン学園が設立されている某県の一地方、山脈を隔てた某県某町の寂れた海水浴場。過疎化と少子化の影響か? 人影はまばら。


 我が部活、夏合宿を決行する!!


 ……とは言ったものの、部員は俺と幽霊部員である黒皇のみ。


 一応黒皇にもL●NE連絡は入れたが、予想通り既読すらつかない。今回も不参加という事となるだろう。


 故に……ぶっちゃければ我が部活、合宿する必要性は皆無。


 では、何故わざわざ泊まりがけで合宿するかというと…………


「おまたせ」

「モブ君、アイス食べたい」

「先輩……わだすの水着どうですか?」


 それぞれ水着に着替えた負けヒロイン達。


 ラブコメ作品、合宿と言えば「海」、そして海と言えば「水着」だ!!

 合宿の話しがいつの間にか部外者である彼女達が同行する事になっていた。


 表向きは黒皇にフラれたヒロイン達を癒すちょっとした傷心旅行……だが。


「海だぁ~~~~!」

 オーガ後輩が叫ぶ。

「海だね」

 サキュバスちゃん先輩。

「うむ、久しぶりの海だ」

 ドラゴン同輩。


 そして俺! このシチュエーションではこう叫ぶしかないだろう。

「水着回来たーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」


「「「水着回?」」」

 ヒロイン達は首を捻った。


 ライトノベルには「水着回」は必須。マンガも然り、ワンクールアニメですらラブコメ系作品ならば「水着回」はほぼ確実に制作されている。


 水着回を制すればラブコメを制す…………訳ではないが。水着回は意外と重要、十分考察に値する。


 本来、水着回ではヒロイン達のエロ可愛い水着姿を余すところなく披露するのが主目的。


 だが今回、負けヒロイン達の水着は事としよう。

 

 諸兄は負けヒロイン達の水着、どんなファッションなのか予想、或いは自身の願望や妄想を是非「応援コメント欄」に♡を添えて書き込んでほしい。


 とりあえず一つだけ、水着を見た俺の表情を描写させてもらおう。


 負けヒロイン達の水着姿を見て、俺はニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべた。


 ******


 さて、簡単に「水着回」の考察をしよう。


 ラブコメ的水着回は大きく分けると二パターンあると考えている。



 ・部活や学校行事などの『学園イベント』的な水着回。


 ・デートや親しい友人達と遊びに行く『デートイベント』的な水着回。



 どちらのイベントでも、ヒロイン達がエロ可愛い水着を披露してくれる。


 ストーリー展開上、どちらのイベントを選択するかは創造主クリエーターの都合次第だろうか……?



 だが、若干深く考察すれば『学園イベント』的水着回ならばクラスメート等、比較的縁の薄い、モブに近い女子にドキリとさせられる事がある。


 諸兄の中にも、背景的モブキャラの水着姿に心惹かれた経験はあると思う。


 隠れた巨乳キャラ、髪型をチョットだけアレンジしただけでドキリとする。

 目立たない地味なクラスメートだと思っていたのに……


 水着回後は教室での集合シーンでも、心惹かれた女子キャラを思わず探してしまう事もあっただろう。


 モブキャラや、ヒロインの友人枠といった周辺キャラの水着姿を堪能するのも一興いっきょう。周辺キャラの描写が丁寧な作品は良作だと考えている。



 ……また『デートイベント』ならば、主人公との関係性を考えると面白い。


 ヒロインはどの様な意図でこの水着を選択したのか? 主人公にどう見てもらいたいのか!? 


 そして、自身の身体、アピールポイントやウイークポイントは何処なのかを鏡の前で、あれこれ迷いながら水着を選ぶシーンを思い浮かべる。 


 それらヒロイン心理を勝手に妄想し、ニヤニヤするのもまた一興だ。



 水着回はメインストーリーから少し外れたサイドストーリー的な構成が多い、だが殆どのラブコメ作品には水着回が存在する。需要は旺盛だ。


 ヒロイン達のフィギアや物販でも、水着ヴァージョンが製作される事も多い。


 だが何と!! 書きたいと思った事はほぼ「ピ●シブ百科辞典」に書いてあるではないか!?


 ******


 さぁ~て、困ったものだ。何を話そうか?


 俺は負けヒロインをジッと見つめ……る。その後周囲をじっと見つめ……

胸囲きょういの格差社会」

 ……ポツリと呟いた。


「「「!!」」」

 俺の一言に負けヒロイン達。


「…………」

 少し照れくさそうに、身体を隠すドラゴン同輩。

 俺に「見て欲しい」と「恥ずかしい」の感情が入り乱れている。可愛いぞ。


「先輩! それってセクハラですよ!」

 オーガ後輩抗議。リアクションする度にドデカいオッパイがプルルンと揺れる、それも可愛いぞ。

 

「いいよ、もっと近くでさきゅのおっぱい見ていいから」

 サキュバスちゃん先輩はブレない。やはり可愛いぞ


 三者三様の反応。とても可愛い。



 女子の肢体を凝視するのも今やセクハラ行為と糾弾されてしまう。☆☆☆EXCELLENTするなどもってのほか……だが。


 だが俺はニヤリ、不敵な笑みを浮かべた。

「ここはラブコメ世界。ガイドラインと諸兄が不快に思わない範囲であれば、セクハラ的行為は許容されるのだ(ドーン!)」


「「「諸兄?」」」

「フッ、俺の都合だ」


 水着回、本質の一つは日常空間とは離れた場所にいるドキドキ、即ち開放感!!


 悲しいかな、ラブコメ世界に俺と諸兄達の性衝動リビドーを思い切り解放しよう。


 水着回のいやらしい考察は【近況ノート】と【創作論・評論】の方で少しだけ述べていこう。



 さて、もう一つだけ解説しておこう。


「しまった!! 日焼けキャラがいなかった!!!!」

「日焼けキャラ??」

「……俺としたことが、不覚」

 俺はがっくりと項垂れた。


 三負けヒロインは皆肌が白くキレイ。ゆえに日焼け対策も万全である。合宿中日焼けすることはないだろう。


 だが、諸兄の中で「日焼け」が好きな諸兄はいると思う。特に……ジュルり。


 元祖負けヒロインの水着回、元気系ヒロインの日焼けした水着姿は、食いしん坊系ヒロインの巨乳をも上回る破壊力だった。


 因みに、段差日焼けキャラの元祖は「あずまんが大王」の「神楽」さんだと思う。


 あれはいいものだと我が創造主マイマスターはイヤラシいよだれを大量に垂らしておられた。



 即ち「フェチ」盛り。キャラ創造手法の一つだ。



 膨大に存在するラブコメ世界、個性的でなければヒロイン達は埋没する。特徴や諸兄に刺さるフェチズムを有するキャラは強い。


 もはや段差日焼けキャラ程度なら、定番になりつつある。


 本来ネガティブ要素である「地味」や「ふくよか」「汚い」、更には「おばさん」まで。諸兄の趣向性癖は様々なはずだ。


 意外な「推しフェチ」、趣向性癖をもった諸兄は多い。ヒロインも正統派だけでは注目されるのは難しい。


 ヒロインの意外なフェチが披露されるのも、水着回の魅力の一つ。諸兄はどんなフェチを隠しているのか? 是非「応援コメント欄」に♡を添えて書き込んで欲しい。


 そして、気に入っていただけたのなら「☆」やレビュー、作品フォローをお願いしたい。


 諸兄の応援で、この世界の命運が決まるのだから。


 ******


 水着回、まずはヒロイン達の水着披露からスタート。

 マンガやアニメなら、かなり気合いの入った作画だろう。見開きやぶち抜きかもしれない。


 じっくりヒロインの水着を披露した後は、ビーチパラソルを開き設営。


 そして戯れシーン。ヒロイン達が海で遊んでいるシーンが描写される。


「いっちばぁ~~~~ん」

 オーガ後輩、豪快にはしゃぎ回っている。


 互いに水かけ合ったり、キャッキャしているヒロイン。


 はしゃぎ回る度に揺れる巨乳、揺れる巨乳も水着回らしく開放感最高。


 デカすぎ負けヒロイン、オーガ後輩地元のちびっ子達とすっかり仲良し。


「大きいお姉さん!」

 オーガ後輩のムッチリとした太腿にちびっ子達が群がっている。


「おっきい」

「いい匂いする、すりすり……」

 オーガ後輩、周囲にゴブリンが群がっているようだぞ。


「Zzzzz」

 はしゃぎ回って疲れたのか? サキュバスちゃん先輩、ぷかりぷかり浮き輪で浮かんで居眠り状態。それも可愛い


 デッキチェア(或はビーチチェア)で優雅にくつろぐセクシーお姉さん系キャラも良くあるパターンだ。


 本作品ではドラゴン同輩にこの役を指名しよう。


 豪華なトロピカルドリンクを飲んでいるドラゴン同輩。流石セレブ。セクシーな水着、圧倒的な色香が漂う、周囲の愚民共、恐れ多くもチラ見している。



 そして主人公オレは、ぼんやりヒロイン達を眺めるのが定番。


 イベント系などで、他に男子がいる場合。極力男子の描写はモブ化される。水着回は水着美少女パラダイス。


 当然、ポロリもあるよ。


「先輩!!」

「フフッ、紐が取れるというお約束カモン」

「ぶつぶつ言わずに助けてくださ~~い」


 俺ニヤリ、オーガ後輩困り顔。

「ブラの紐と、パンツの紐が同時に緩むというラブコメ的ハプニング。オーガ後輩、良くやったぞ」

「何が……良くやった……ですかぁ!」

 両手が塞がり身動きが取れない。ピンチ。


 身悶えすえるオーガ後輩。手ブラ&パンツ押さえ。

「せんぱ~~い、はやくぅ~脱げちゃう」

 懇願の表情、見えそう、半脱ぎ状態をじっくり堪能。良いポロリだ。



 或は……

「モブ君、ブラ取って」

 水面にぷかぷか浮かんでいる水着。これも良くあるシーンだ。


「仕方が……うおっ」

 隠してない!! せめて手ブラくらいは……手はそのまま、ガイドラインを限界突破バーストしてしまう!


「か、隠して下さい!」

 思わず、俺の手でサキュバスちゃん先輩の絶賛成長中の胸を隠す。JS少女、小っちゃな胸の感……ハッ!


「モブ君大胆」

「しまった~~~~っ!」


 密着状態。危険度MAX。サキュバスちゃん先輩、ジッと俺を見つめる。傾国眼(虹彩にうっすら浮かぶ♡マーク)が俺の理性を溶かしていく。


「ハァハァ……いかん」

 サキュバスちゃん先輩に見つめられると、ケダモノと化してしまう。


「モブ君大丈夫? おっぱい揉む?」

 死ぬほど揉みてぇ~~~~~~!!


「だから世界を消滅させかねない誘惑は止めて下さい!」


 身体の向きを変え、何とか水着をセットアップし直す。


「い、いかん! 今ここで、賢者修行をせねば収まらぬぞ!」

 だが、夏の海はまだまだ☆☆☆EXCELLENTシチュエーション満載だ。



「モブ、頼むぞ」

 フッ、ドラゴン同輩こう来たか。


 これも定番、オイル塗りシチュエーション。

 何故か男子にオイル塗りを頼む? だが、これもラブコメでは良くある事だ。


 最近のラノベやマンガ主人公、ヒロイン達の「肉体的誘惑セックスアピール」に対してはほぼ受け身、なすがまま。時代が変れば価値観も変る。


 だが敢えて、【近況ノート】で宣言したとおり。俺はその価値観には逆らおう。


「モブよ! ドコ触ってる! アンッ」

「ドコと言われましても、ドコでしょうか?」

「ドコって、言わせないで!」


 ヒロインの身体が俺の指によって敏感に反応するのがまたエロい。背中から胸、さらには内股までガイドラインのギリギリをネットリと攻め続ける。


「……ふ、せっかくの水着回。見て触れて、舐める?」

「舐める!? 舐めるって!!」

 揉んで入れて……となれば「性描写有り」のタグにしなければならぬだろう。が。


「万歳!」

「え?」

 俺はドラゴン同輩の手を押さえる、抵抗されてもお構いなし。


「俺は、ドラゴン同輩の弱点を知っている」

「あ」

 ドラゴン同輩の脇をちょっとだけ舐める、超絶美少女の脇汗が俺の舌と脳ミソを刺激する。


「変態!!」

 ドラゴン同輩赤熱化。


「ちょ、ちょっとダメッ!!」

 身体が、ピクンと仰け反る。


「後は、首が弱点」

 首筋を……


 猫(勇者様)が見ている。ドラゴン同輩の羞恥心、限界突破バースト!!


「イヤーーーーッ!!」

 膝蹴りを喰らった。


 流石強過ぎ負けヒロイン、俺でなければ死んでいたな。




 遥か昔の昭和時代……ラブコメ黎明期、オッサン世代から延々と繰り広げられる、古い描写が続いてしまった……


 最新ラブコメ、水着回ではどんなシチュエーションが人気となっているだろうか? 是非是非、諸兄の考察を「応援コメント欄」に書き込み、我が創造主マイマスターのアップデートに協力して欲しい。



 ******



 さて、海で遊んだ後は、昼食だ。

「バーベキュー!」


 浜辺でのバーベキューもラブコメでは定番。

 まぁ、ラブコメで無くても定番だとは思うが。


 ぶ厚い肉や、海老、それに野菜が美味しそうな香りを放ち、焼けている。

「炭火はいい」

「いい匂い」

「美味しそう♡」

 

 アニメならば、気合いの入った作画でバーベキューシーンが描写されるだろう。


 水着姿の超絶美少女が焼いた、少し焦げ気味な肉の味。

 もはや至高や究極を超えた神々の領域。ラブコメでなければ絶対味わえない。


 皆美味しそうにバーベキューを堪能する。

「うめなぁ」

「ウム、われながら美味だ」

「あつい」


 流石オーガ後輩。食べ方が豪快だ。まさに怪獣の如く、串に刺された肉が口の中へ消えていく。


 お嬢様、ドラゴン同輩は食べ方も上品。それでも美味しそうに肉を食べる。


 小食のサキュバスちゃん先輩、紙皿にもられた、野菜や肉をフーフー冷まして少しずつ食べる。



 食べ方だって演出だ。焼きそば食いながら、焼きそばの話しをする。それもまたキャラ造形の演出。


 水着回、諸兄はどんなお食事シーンが記憶に残っているのか? 是非「応援コメント欄」に♡を添えて書き込んで欲しい。


 そして俺は。

「はい、アイス」

 サキュバスちゃん先輩はアイスが大好物。


「モブ君、さんきゅ」

「わだすもアイス食べる」


「ドラゴン同輩も食べるか?」

「そうだな、いただこう」


 全員アイスを食べる。どんなアイスなのか……? 


 フッ……諸兄はもうお気づきのはずだ。

 ミルクバーだ(バニラアイスを棒状しにたアイス)


「フフッ、デカくて太くて逞しいアイス」


 ミルクバーの食べ方、サキュバスちゃん先輩はエロ過ぎる。

 ちっちゃくてカワイイ舌で舐める。エロい、食べ方がエロい。手つきがエロい。

「んんっ……大きい、美味しい」

 台詞がエロい。


「……」

「ん?」

 血走った俺の目、視線に気づく。

「モブ君も舐めて欲しいの?」

 

「それは、「アイスを舐めたいの?」と言って下さい」

 ハァハァ……世界が消滅する。


 エロさでは、ドラゴン同輩も負けていないぞ。

 アイスバーを上品に食べる、やはりエロい。

 髪を掻き上げながら、アイスをパクリ。

「ウオオオオオ☆☆☆EXCELLENT!」

「モブよ、何を叫んでいる?」


 俺は前かがみとなった。ん?


「うめな」

 オーガ後輩、一齧りでデカくて太いアイスバーが喰い千切られる。

 二、三本あっという間にアイスバーが消滅した。

「…………」


 ******


 食事が終わればもう少し遊び回る。

 これもいにしえからの定番、スイカ割り。

 海なのに、皆で携帯ゲームをしたりする。


 楽しい一日をあっという間に日が暮れる。


「楽しかったな」

「ああ、楽しかったね」

「うむ」


 海に沈む夕日を美少女達と眺める。


 大抵の水着回、締めシーンは沈む夕日だ。日帰りならば、自動車や電車内で居眠りシーンが入るだろう。


 美少女が主人公の肩にもたれ掛かって居眠りは定番。


 ヒロインの寝息に促され、俺も居眠り。これ以上の幸福感と満足感は現実には存在するのだろうか?


 ……と、待て待て待て。


 今回は、このまま旅館で一泊する。お泊まりだ。

「これもまた最高じゃ無いか」


 また、6,000文字オーバー。


 お泊まりエピソードは、次回にノベルとしよう。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る