第24話

そのままタッパーの蓋を開けると、そこには沢山のおかずと、炊き込みご飯が綺麗に盛り付けられて入っていた。


ミツって本当に何者なんだろう、と私はその美味しそうなお弁当を見つめながら思う。



「え、弁当すご。江渡が作ったの!?」


「美味しそう!」



ここで否定して、誰が作ってくれたとみんなに説明するには、私はあの人のことを知らなすぎる。


それが少し、寂しいと思ってしまった自分に驚いて、ただただ笑った。




そこから昼休憩の1時間。



みんなの愚痴は仕事の内容に関することもあったけど。


ふくよかな副部長の名字が「細田」なのが許せないとか、営業先のスーパーの店長は絶対カツラだとか

くだらなすぎて、だけど楽しくて。



ミツが作った甘めの玉子焼きも、だしの効いたきんぴらも、何故だか喉を通ってもしかして間違えて心に入ってきてるのかなって思ってしまうくらいに染みて染みて、泣きそうになって大変だった。



“食べたら、そうやってちょっとは笑う元気出るよ。“



ミツって何者なんだろう本当に。



_誰かと食べるご飯は美味しいなんて、そんな当たり前のことを、私は凄く久しぶりに感じた気がした。

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