第18話

アルミホイルに包まれた丸みのある三角形。



開いて中を確認すると、枝豆が混ざった色の鮮やかなおにぎりだった。



一口食べて、ほわっと香るおかかの優しい味にじわり目頭に感じる熱。


いかんダメだ、折角一応程度と言え施した化粧が崩れる、となんとか耐えた。




「…頑張ろ。」



そうポツリ呟いて、バッグを引っ掴んで。



それとは反対に、彼が用意してくれたお弁当の紙袋は丁寧に持って、慌ただしく部屋を出た。

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