Tuesday
第17話
◻︎
"おはようございまーす!
今日の朝は少し冷え込みますね〜
夜からは、雨の予報が出ています。
折り畳み傘があると便利かもしれません。
帰宅ラッシュが予想される頃は、ギリギリ間に合いそうですかね?"
「…間に合いません。」
前髪を大きめのクリップで止めて、半端に着替えをしている途中の私は、テレビの中の可愛いお姉さんが隣の天気予報士さんに問いかけた言葉に、ぽろっと反応してしまった。
所謂帰宅ラッシュと言われる時間に帰宅なんてできそうに無い、と徐に出勤用のカバンに傘を投げ入れた。
いつもなら化粧とヘアセットを(適当に)終えて、家を出る時間までもう一度ベッドで横になったりできる限りの最後の抵抗をするのだが。
今日は6.5畳の、決して広いとはいえない私の生活のほぼ大半を占めている空間のテーブルに置かれた紙袋を見つめていた。
昨日初めて出会った彼との、真夜中のあの時間。
「_____助けてって、言っていいよ?」
急に何を言い出すのって思いながら、私はあの優しい瞳に簡単にその言葉を口にして。
号泣しながら飲んだハーブティーの味も、私の頭を優しく撫でるあの温度も。
夜がつくり出した幻想の世界の出来事のようで、朝を迎えた今でも思い出して不思議な気持ちになる。
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