第14話
「…まず1つだけど。」
「うん?」
「有宇。お前毎日何食べてる?」
「……、」
「ん?質問聞こえてなかった?」
何も答えられずにいると、急に威圧感たっぷりの声で少し顔を近づけて問いかけてくる。
その綺麗な瞳にも圧倒されて、私は少し背中を退け反らせてしまった。
「…あ、朝は、ギリギリまで寝てたいから食べてない。」
「……朝“は“?」
鋭いなこの人。
「……お昼は…、その、休憩勿体ないし、電話もかかってくるから。デスクで、カロリーメイトとかそういうのを…、」
「有宇ってご飯の定義が分からない子なのかな?」
「……ご、ごめんなさい。」
ゆらりと青い炎を纏った彼は、その裏腹に凄く綺麗に笑っているから余計に怖い。
なんでこんな初対面の人に私は謝っているんだろう。
おかげで涙も止まってしまった。
長めの溜息と共に、言葉は続けられる。
「…ああいうのは主食にはならないから。」
「……はい。」
「ちょっと待ってて。」
「…え、」
そう言って彼は立ち上がり、スタスタと厨房の方へ歩いて行ってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます