第14話
「今度は家に呼ぶから遊びに来てね」
「はい」
「2人もゆっくり休んで」
「ありがとうございます」
そんなやりとりをして俺は羽津稀と友也さんと花梨ちゃんの泊まっている部屋から出て自分達の泊まっている部屋に移動する。
「疲れちゃった。あたし達も寝ようよ」
羽津稀はそう言ってベッドに倒れ込むとそのまま眠ってしまった。
「ったく」
俺は羽津稀に顔を近付けると髪を撫でて寝顔に軽くキスをする。
「おやすみ」
俺は羽津稀の隣に寝っ転がった。
「普通何かかけてくれんじゃないの?」
寝起きで言われた一言。
羽津稀は寒くて目を醒ましたらしい。
羽津稀の隣に寝っ転がった俺はそのまま眠った様だ。
あっと言う間に2泊3日は終わり、自宅に帰る。
手にはドレスや式のコースのパンフレットの山。
良く一度に持って帰って来たなと感心してしまう量だ。
だが俺と羽津稀はこの日もバタンキューと来た。
翌朝からはいつもの日々に戻る。
1週間後、パンフの山は紙袋にしまわれていた。
何日経っても羽津稀がパンフを見ている所は見る事が無かった。
それから何日もしない内に羽津稀が倒れる。
今度の診断名は白血病。
羽津稀が1月に診断を受けていたと言う。
何も聞かされていなかった俺はショックを隠せない。
そんな中で俺が先に産まれて10000日目を迎える。
最後の7日間だなんて誰も考えなかった。
羽津稀以外は。
「10000日目おめでとう」
祝った俺の10000日目。
2016年5月19日。
その日のケーキが羽津稀の最後の食事になった。
この日から羽津稀は最後の病院生活を始める事になる。
俺は寝ずに付き添った。
羽津稀がいつ目醒めても良い様にーー。
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