第11話

「まぁとりあえず食事しましょう。あれだけ意識飛んでで食事してないんだからお腹が空かない方がおかしいわ。それとも時が止まった様なものだからお腹も空く事を忘れているのかしら」

シルキィは明るい笑顔に表情を変えるとそう言いながらホークの腹部を指でつついた。

「腹に話しかけるな」

ホークは呆れている。

「食事はこっちでするの。ついて来て」

シルキィはホークを別の部屋に案内した。

そこには不老不死を与えるダイアよりも大きな黄色い石とテーブルと椅子が。

椅子は十二個並んでいる。

テーブルの上には黄色い石と同じ石があるのだが、その大きさはホークの顔より少し大きかった。

「この石は?」

ホークはテーブルの上にある方の黄色い石を覗き込む。

「欲しい物を揃えてくれるトパーズよ」

シルキィはトパーズのある席に座った。

「欲しい物?」

ホークはシルキィを見る。

「お金や宝石に貴金属、食べ物や飲み物、衣類とか――かしらね」

シルキィは楽しそうに話した。

「ふーん」

ホークはジッとトパーズを見る。

するとトパーズが光り始めてテーブルの上には沢山のビールが。

「食べる事よりビールなんだ~」

ミルキィは笑った。

「煩い」

ホークはそっぽを向く。

「どう?まだ信じない?」

シルキィはテーブルに両肘をつくと頬杖をついてホークを見たまま微笑った。

「馬鹿に出来ない事はわかった」

ホークは石の力を認める。

「この城には他にも謎の力を持つ石があるわ。無闇に触らない事ね」

シルキィは串焼きにされた肉を取り出した。

クロハも同じ物を取り出す。

「今夜は宴といきましょ」

シルキィは赤ワインの入ったワイングラスを手にして微笑んだ。

みんなして好きな物をトパーズから取り出して宴を始める。

「いつもこんな雰囲気なのか?」

ホークは骨付きの鶏もも肉を食べながらシルキィを見た。

「そうね。やりたい事をしてるって感じ。貴方達の部屋も用意してあるから好きにアレンジしてちょうだい。家具はこのトパーズから取り出せるけど持ち運ぶの面倒だと思うからこの石を部屋に持って行ってから家具を取り出す事をオススメしておくわ。ミルキィ、案内は頼むわね」

シルキィがホークとフウにトパーズの扱い方と部屋の説明をしてからミルキィに言う。

「は~い」

ミルキィは元気良く答えた。

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