第4話
「そんなダイア、あるのかよ」
ホークはそっぽを向いた。
「あるわよ。ほら、あれよ」
(!)
女性の言葉にホークは驚く。
彼女が指で差した場所にはこの世の物とは思えない程大きな輝く石があった。
しかし見た目ではダイアモンドかどうかはわからない。
何故なら白く濁っているからである。
「これ、ダイアか」
ホークは目を疑った。
「そうだよ~」
(?)
ホーク達の前に現れた白い髪に青い瞳の少年とも少女ともとれる外見の子供。
「ガキ?」
ホークは眉をひそめる。
「弟のミルキィよ。紹介しておくわ」
白き魔女ことシルキィはホークにミルキィを紹介した。
「ふ~ん」
ホークは突然冷めた表情を見せる。
「親は居なくても兄弟位作れるわよ。血縁でなきゃいけないなんていつの時代の話よ」
シルキィも冷たい表情で返した。
「イーヴィルクロウは旦那か?」
ホークはそう言うと笑う。
「主従関係を結んでいる。失礼があらば許さん」
イーヴィルクロウはホークを一瞬で床に倒して馬乗りになり、楔の様な手裏剣を顔の真横に突き刺した。
髪の一部が切れて頬に傷が付く。
「敵意心バッチリじゃねぇか」
ホークは困った。
「貴方が仲間に戻るならその敵意も解除されるんじゃないかしら」
シルキィは「ふふふっ」と微笑う。
ホークは黙った。
「あら、黙ったわね」
シルキィは倒されたままのホークの顔を上から覗き込む。
「恨んでないのかよ」
ホークはイーヴィルクロウをほったらかしてシルキィをジッと見た。
「まだ恨んでないわ。今の返答次第では生かしておかないけど」
シルキィはホークの顔を覗き込んだままそう言う。
「俺はお前を捨てた」
「それは私を護る為。でも今は私の方が強力な権力も力も持っている」
「俺にお前の元に戻れと?」
「そうよ。私はまだ貴方が愛おしい」
「相変わらず情熱的ですこと」
「悪いかしら」
「いんや」
ホークがそう言うとシルキィはホークにキスをした。
「わぁお」
ミルキィは真っ赤になる。
見ている方が恥ずかしいとはこの事を言うのだろうか。
「シルキィ、私はどうしたら良いのだ?」
イーヴィルクロウがシルキィに問う。
「仲間と戦う必要は無いわ」
シルキィが笑顔でそう言うとイーヴィルクロウはホークから離れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます