第5話
「まさか寄りを戻す事になろうとは」
ホークは立ち上がりながら言う。
「私を思い出してここに来たんでしょ?」
「順番は逆だけどな」
「ここに来る羽目になって私を思い出したって事?」
「そうだ」
「私を思い出してもここに来たなら私には同じだわ」
「そうか?」
「そうなの。私にはね」
「あいよ」
ホークはシルキィが昔と変わっていない事を確認して気が済んだかの様に黙った。
「これをボーレスランドに持ち帰ると良いわ。その代わり貴方はココロを抉られる事になる。その覚悟は出来てる?」
(?)
シルキィの言葉にホークは眉をひそめる。
「どう言う事だよ」
「私の口からは説明出来ない。知ったら貴方はその未来を受け入れない」
「だったら尚更教えろよ」
「受け入れなきゃならない未来だから避けられたら困るのよ」
「わからないまま立ち向かえってのか?」
「そうよ」
「あ?」
シルキィの言葉にホークは納得がいかない。
「早く行きなさい。じゃないとウィンズって子に二度と逢えないわよ」
(!)
嫌な予感のしたホークは慌ててシルキィの寄越した石を持ってボーレスランドに戻った。
「おお、取り返してくれたか」
ホークの持つ石を見た男はホークから石を受け取って喜ぶ。
「これで私は死なぬ」
男は不気味な笑い方をした。
『これでこの世は儂の物よ』
男が怪物化する。
その瞬間、ボーレスランド中の電気がショートした。
荒れ果てた街や色々な場所から霊魂の様な塊が次々と集まって来る。
今の電気がショートした時に感電死したボーレスランドの住人達の魂の様だ。
その事に気付いたホークは唖然とする。
そんなホークをよそに怪物と化した男は霊魂を食べて巨大化した。
その重さに耐えられずにビルは崩壊する。
ホークは瓦礫から這い出ると見覚えのある青年が倒れているのを見つけた。
ウィンズである。
ホークはすぐにウィンズに駆け寄った。
しかしウィンズは息絶えている。
「ウィンズ…」
ホークはウィンズを強く抱きしめた。
するとウィンズは炎に包み込まれる。
「許さん…」
ホークは怒りの炎に包み込まれた。
『儂は神になる』
「てめぇは屑だ。人間で居る事を辞めたな」
『お前も儂の一部となれ。そうすれば永遠に生きられる』
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