第3話

春 ぽかぽか眠い昼下がりもポヨンは筋肉強化に特訓。夜は夜で家族を守り寝ずの番。


夏 流れ者の強持ての猫を相手に実践。まだまだポヨンは力及ばず、傷だらけ。


秋は落ち葉に身を潜め狩りの練習。ネズミくらいで満足しちゃいけないぞ。


冬 長い毛がライオンみたいにポヨンの顔を蔽い、少しだけ嬉しい気分。





でも変わらぬ猫サイズ。猫の声。

時々落ち込みかけたポヨンの視界にはいつだってララの優しい顔。


大丈夫よ、と語るその目。



三年、五年、やがて十年の時が流れ―

年老いたララ。



何も映さなくなった青い目でポヨンに微笑んだ。


「サヨウナラ。もうお別れの時が来たわ。」



ららの眼差し







らら最期

「ごめんよ、ごめんよ。とうとうライオンになれなくてごめんよ!」。

「ううん。貴方はね、最初から私のライオンだったの。ずっとずっと・・・ね」



ぽよんの号泣


ぎゃおおおお~~~~~ん!うお~~~!」 



ポヨンはララを抱きしめ、初めてライオンの声で泣いていた。

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ライオンになりたかった猫 @oboto

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