第2話


僕の愛するララ。


ふわふわ白い柔らかい髪が夜風に揺れ、愛くるしい青い目が心配そうに僕を見ていた。

集会後、ララは僕の傍に寄り添い囁いた。

「私はポヨンの事信じるわ。」






「本当に?」

「ええ、だって・・もうすぐ私達のベビーが生まれるのよ。」

えぇ~~!!

何て凄いタイミング。ララ、君は素晴らしいよ。





「ポヨンは私の王子様よ。あ、ベビーが生まれたら私だけの王子様じゃなくって家族の王様ね。


その縞模様もふさふさの尻尾も大好き、でも何より素敵なのはその勇気よ。ポヨンはライオンにだってきっとなれる!」

そういって彼女は僕の鼻先におでこをぶっつけて笑った。

・・ああ、優しいララ。君こそ僕のお姫様さ。



僕はライオンになる!君を守る為に。



うちのテレビでいつかライオンの家族が映ってたんだ。そしたらお父さんがポツンと呟いたんだよ。


何だか寂しい顔で―



「ああ、ポヨン。お父さんも昔はライオンだったんだよ。ずっとずっと昔にね。


貴方は私のライオンさんって、奥さんに呼ばれたものさ。そんな時代もあったんだ。」



人間だって!! 人間だって !!ライオンになれるんだよ!?



何だ~。それなら僕らのほうがずっと簡単じゃないか。元から尻尾だって肉球だって、全部揃ってる。


一番の違いはサイズと声さ。腕力やスピードなんて訓練次第さ。

毎日ポヨンは喉が枯れるまで発声練習した。


二年たち、ポヨンは二匹の子猫に恵まれテレビで見たライオン家族の様に幸福だったけど、


まだ声はミャオ~のまま。

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