第4話

そん時は快感と優しい言葉で癒されて…泣いた。


どうしようもなく泣きそうになった時はいつも眞を指名して一晩付き合ってもらった。うちは放任主義だから「友達んとこに泊まる」といえばそれでOKだった。

眞はだんぜん、真よりかっこいい。

言葉もうまくて、ホント満たされた。

けど…真が好きなのは変わらなかった。

眞はストレス発散の場所だった。

バランスをうまくとるための場所だった。

やがて、オレが未成年なのが店長にばれて、眞は買えなくなった。

けど、すでに店長と仲良くなってたオレは店に遊びにいっていた。店の雰囲気好きだったし。田舎だから客のいない時間も出来る。そん時に眞や他のホストたちとゲームしたり、話したりして遊んだ。

オレはそれだけで、満たされることに気付いた。

なんだ、幸せになれるのはほんのささいなことなんだ。

このままでいいじゃん、と思いながら、高校を卒業し、県外の大学に進学した。


帰省して帰ってくると相変わらずな友達と会って騒ぎ、店によって酒のんで騒ぎ、楽しかった。


今回もそうなるハズだった。



………ちくしょう、今の時点でどうにかなっちまいそうだ。


ダメだ、今すぐ会いたい。店にいられるだけでもいい。

正月休み、だけど今日は元旦でもないし店も開けてくれるだろ。

オレは着替えてコートをひっつかみ、メモ書きをキッチンに置いて出掛けた。


安らげる、癒される場所を目指して走りだした。

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