第56話

寛人…、人見知りするからなあ。

やっぱり早まったかな?

とオレが考えていると、寛人がオレにもっともな質問をしてきた。

「僕は…、泰良さんのこと知らないのに、何で泰良さんは僕のこと知ってるの?」

あ。

口調が何となくキツイな…、いつも落ち着いてるのに、どうしたんだ?

オレは焦った。

まさか、オレが寛人のことが大好きで(恋愛感情じゃないぞ)お気に入りで、泰良にあったことを逐一報告してるなんて、言えない。

ここはうまく誤魔化さなきゃな。

「あ、えっと、この前一緒に遊びいったろ? パレットタウンに。泰良もそこに行きたいらしくてさ? 説明してたら、たまたま寛人の名前もでてきたわけなんだよ。だから知ってんの。分かった?」

説明するが、寛人の顔色は変わらない。むしろ、余計怒った表情になる。

よくよく考えると、何故と思って聞くのは仕方ないが、怒られるようなことではないな。

なんで不機嫌そのものな態度になるんだ?寛人。

とりあえず、機嫌を直してもらおうと、口を開く。

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