第49話

信司さんの家に成り行きで泊まって以来、なんとなく、来てしまっている。

これにはきっかけがあって。

バイトが終ってしまい、相変わらず悟志とはあまり遊べない。

以前と同じ図書室へ行くようになったのだが、何だか落ち着かない。

だから、帰ろうと家に向かう途中。

信司さんにあった。

信司さんは手にケーキの箱を持っていた。

「違うバイト先で余ったケーキ貰ったんだけど、一人じゃ食べきれないから、寛人くん食べる?」

何処に行く予定もなかった僕は頷き、信司さんの家にいった。

ケーキを食べながら、たわいもない話をする。

楽しかった。

落ち着かない気持ちがいっぺんに安らいだ。不思議だった。

信司さんにあっただけなのに。

それ以来、いつの間にか毎日のように来るようになってしまった。

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