第11話

それが、あまりにもおざなりで、俺に同情したような軽いキスだったので、京平に言ったんだった。

「こんな、キスは嫌だ」って。

もっと、きちんとキスして欲しかったんだ。

俺の告白に答えてくれたのなら。

京平~~!。

お前人の話ちゃんと聞けよ。

「あれは、だな。京平がきちんとキスしてくんなかったから、嫌だっていったんだよ。こんな、って言っただろ。ちゃんと、キスして欲しかったんだよ」

京平は目をまるくする。そして、吹き出した。

何なんだ、一体。

「そうだったのかよ。あはは。ごめ…すげえ勘違いだよな。てかな?あん時の俺は緊張しすぎてて、あんなキスしか出来なかったんだよ」

…え?

「オレ男なんか、いままで知らねえし、さ。でも、お前から告白されて嫌じゃなかったし」

え、ええ??

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