第10話

「は?」

京平が、訝しげに覗きこむ。

「キスしねえで、すぐ、するじゃん?それが、不満ってか…」

…言葉にするとやっぱ、俺女の子みてえなこといってんよ…。

恥ずかしくて顔が赤くなる。


なにを言ったらいいんだ…。

そう思案していると、京平が口を開いた。


「だって、お前が言ったんじゃんか?キスしたくないって」


「は?」

今度は俺訝しがる番だった。

「俺、そんなこと、言ってないぞ?」

キス好きなのに、俺はそんなこと、言わない。

「オレが初めてお前にキスしたとき、言ったじゃないか。『キスは嫌だって』」


その言葉を聞いて俺は思い出した。

告白して、キスしてもらった時。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る