第35話

「わ~い! んじゃ、いっただきま~す」

 おぼんにのっているシチューを取り、さっそく食べ始める有也。


 …もう夕方なのか…。時計を見ると7時だ。夕方というよりは夜か。

早速オレもシチューをいただくことにした。

あちっ。すくってすぐ口つけて舌やけどした。

冷ましてまた口に含む。

――うまい――。すげえ。

「ダレが作ったんですか? コレ。美味しい」

聞くと渉がにっこり微笑んだ。

「俺だよ。うまいだろ。今日は特別だからな。たくさん食べろよ。次からはおかわりできるか分からないからな。今日だけだぞ、おかわりできるの」

 …え、そうなんだ?まあ、学生、フリーターな奴だしな。オレは無職だし?

結構、節約しないといけないんだろうな。

「機嫌、治った? …さっき超不機嫌な顔して出てきたからさ。大丈夫だった?」

覗き込みながら有也が言った。

 は。そういえば、そうだった。

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