第13話
やーばーいっつーの!!
こうなったら仕方ない。
オレは渉の頭をおもいっきり殴った。
「がんっ」つーいい音がした。
渉はよほど痛かったのか、呻いた。
「いってえーっ!! ナニす…? あれ、ゆうや、じゃな、…直気くん…」
………正気に戻ったか。よ、良かった。
「何? どういうこと?」
きょとんとして、渉は自分の頭をさすっている。
「それは、こっちが聞きたいですよ!! い、いきなり抱きつかれて――」
「顔赤いよ? しっかし、痛いなあ。いい夢見てたのに…」
そりゃ、いい夢だったろうよ…。
オレにとっちゃあ、恐怖だったさ。
あ。
そうだ、有也と渉さんは恋人同士なのか、聞かなきゃな。
「ねえ、渉さん」
「ん――?」
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