第14話

眠いのか、寝ぼけてる感じ。

「有也と渉さんて、――付き合ってるの?」

「――はぁっ!?」

あれ?

驚いた声。

違うのか?

「だって、オレ、起きようとしたらいきなり手えひっぱられて、抱きしめられたんですけど? んで、有也とかいってたんですよ?渉さん」


オレがそういうと、みるみる顔が赤くなる。

やっぱ、図星?

「はあ。直気くんにそんなことしたんだ、オレ。――ごめんな?でも、俺と有也は付き合ってない。俺が勝手に有也を好きなだけで」

へえ。そうなんだ。

にしては。

「さっきの手慣れてた……あ」

思わずいってしまい、口を手で押さえる。

「手なれ…? も、もしかして、俺、君を抱きそうになった?」

ここは正直に話すべきだろうなあ。

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