第12話
掠めるように背中を撫でられる。
優しい、さわり方。
「――っ」
息を殺した。
でないと、声が出そうで。
混乱しそうになる。
いかん。
頭の中を整理しなきゃな。
まず。
渉はオレと有也を間違えている。
まあ。
眠ってるんだからそれは仕方ないとして。
なんで、抱こうとしてるんだ?
…有也と渉は恋人同士ってことか?
男同士なのに。
…やばい。
余計混乱してきたぞ…。
そんなことをぐるぐる考えていると、渉に、耳たぶを、噛まれた。
「っあ……」
って、何声だしてんだ、オレ!!
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