第6話
音に気づいたはずなのに、顔もあげずに話す。低い、抑揚の無い声。
きっと、いつもこんな感じなんだろう、この人は。
いつも通りの、言葉。ただ、今日はいつも通りじゃないんだなあ、コレが。
「ただいま~」
同居人の態度に気にした風もなく、有也は靴を脱ぎ、部屋に入る。
有也は同居人に近づく。
顔もあげない同居人の顎を持ち、無言で上をむかせ、オレが視界に入るようにする。
「はいはい、注目~」
言い聞かせるように有也が言った。
「……なんだよ、いきなり」
同居人は不機嫌な顔をし、オレを見る。
ひい。怖いんですけど。
けど、同居人も、整った顔してんなあ。有也とは違うけど。
細い、切れ長の目。
綺麗というか、かっこいい部類に入るな、コレは。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます