第5話
※※※
「ここだよ、ここの2階」
そう言って有也が指す建物は、かなり年代ものだ。
木造2階建ての、アパート。
……確かに、ボロいな。
2階に上がる階段に足をかけるとギシギシきしむ。
大丈夫なのか? このアパート…。
有也の部屋は階段を上ってすぐだった。
「どうぞ」
ドアを開け、有也はオレを促した。いわれたとおりに中に入る。玄関は狭くて。ちょっとした調理台とコンロがすぐ目に入った。
そして、すぐ6畳半くらいの畳部屋。真ん中にちゃぶ台がある。
まあ、たしかに二人で住むには狭い。
そして、部屋の端のほうで、雑誌をぱらぱらめくっている人物がいた。
これが同居人らしい。
「おかえり、有也」
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