第4話

もちろん。

「行く」

に決まるだろ。

何にもないオレには願ったりかなったりだが。

有也にとっては、何のメリットも無いワケで。

「てか、マジいいのかよ? オレみたいな、ワケわからん奴を家に呼んで…。嘘かもしれねえんだぞ、記憶喪失」

行くといってしまってから、不安になり、有也に確認してしまう。

「嘘じゃあ、ないんだろ? 見ず知らずの奴に、そんな嘘つく必要あるの? もともと、僕が声かけたんだし? あんま、気にすんな。遠慮せず、来なよ。……行こ?」

有也は笑ってオレの頭を軽くたたき、手を引く。

有也の手が、とても大きく感じた。

立ち上がり、オレたちは、有也の家に向かった。

歩きながら、オレは思った。

『壊れてんの?』

有也の言葉も、あながち、間違ってないな、と。

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