第3話

「――入れてくれないのか?」

下をむいたまま、にいちゃんは言った。

うわ。

厚かましい奴だな、こいつ。

もう、こんな奴はにいちゃんじゃない、ガキと呼ばせてもらおう(心の中で)。

たとえ、年上だったとしてもだ。

まあ。

オレは自分の歳が分からないけどな。

「……オレは居候だから勝手に人を上げるわけにはいかねえの! だ~か~ら、公園」

オレが言い放つと、ガキはオレを見上げた。

げっ。

泣いてるよ、コイツ…。

オレは悪くないぞ!!

涙を拭いてガキは「分かった」と小さな声で返事をした。

ゆっくりと立ち上がりオレの後をついてくる。

まいったな、こりゃ。

どうしよう。


――とりあえず、話を聞いてやるか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る