第37話

「この子の名前は真里亜。僕の子供なんだ…あ、妻は人間だからハーフだよ」

慈しむように、自分の子をみつめ頬を触る。

「可愛いね」

素直な感想をのべると藍は得意気に言った。

「だろ~?僕の娘だし、あったり前だよ」


「そんな可愛い娘を預けるなんてどういうつもりなんだ?」

そう聞いたのは僕ではなく紅蓮くん。

僕のお客様なのに態度がなってない。

てかあたり前か。


紅蓮くんは掃除機をしまいながら、今度は僕を睨んだ。

「てかお前も何考えてんだっ!? 赤ちゃんだぞ、赤ちゃんっ!!まだ、三ヶ月くらいじゃねぇか?……お前が面倒みられるなんて思えない」

人を指差してまくしたてる。

だいぶ興奮してるみたいだなあ…。

「紅蓮くんが面倒見るんだよ、家庭用ロボットだし」

紅蓮くんは大きく溜め息をついた。

「そりゃ、そーゆープログラムされてっけどな…。やれることには限界あるからな? 寝かしつけんのはいいけど、夜は俺機能停止しないと、オーバーヒートしちまう。……夜泣きしたり、夜ミルク作るのはお前がやるんだからな?」


あ、そうなんだ?

そっか…赤ちゃんて、そんなに弱いんだ?

子供持ったことないから知らなかった。

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