第38話

藍は頷いた。

「そーなんだよね、半分人間だから、そこらへんは大変かもね…。半分は人間じゃないから、完全な人間よりは…手間かからないと思うけど」

「手間とかいうな、赤ちゃんはそれが仕事なんだ」

びし、っと紅蓮くんがお母さんみたいなことを言ってた。

かっこいー。

紅蓮くんはまた僕に聞いた。

「大丈夫なんだな、蒼貴?」


「うん」


僕はきちんと紅蓮くんの顔をみて答える。

藍がこんなことを頼むくらいなんだから相当困ってるんだろう。

「ならよし」

安心したような顔で、また藍をみる。

「で? どんな理由があるんだ?」


「莉子を、僕の親が連れ去ったんだ」

怒りをこらえるように藍が言った。


「莉子?」

「僕の妻だよ、人間と結婚するなんて何事だ、って」

僕は藍の家系を思い出した。

「お前んち位高いしな……」

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おはなし。 @kanra88

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