第36話
がたんっ!
何かがぶつかった音がした。
みれば、紅蓮くんが掃除をしていて掃除機を机にぶつけたらしい。
気にしない風でも紅蓮くんは僕と藍の会話が気になるらしい。
いきなりの、まあ普通の人からみれば常識では考えられない藍の発言は僕は全く驚かなかった。
ま、人間じゃないしね。
むしろ、紅蓮くんの態度が面白くてそっちに興味がいった。
紅蓮くんがちらりとこちらを見ている。
……僕の反応を窺っているようだ。
僕は紅蓮くんのもっと面白い態度が見たくなった。
なので。
「いいよ」
とあっさり答えてみた。
案の定。
がっしゃんっ!がたたたんっ!
という音が聞こえてきた。
みれば紅蓮くんが落ち着こうと掃除機を片付けいたのに、それを聞いて掃除機を落としたらしい。
……壊れたかな、掃除機。
紅蓮くんは言葉が紡げず、驚愕の顔をしている。
そんな紅蓮くんには気付かず、藍は満面の笑顔で赤ちゃんを僕に差し出す。
「ありがと~、蒼貴! 君ならそう言ってくれると思ったよ。 必ず、必ず迎えにくるから」
僕は赤ちゃんを受け取った。
…温かい、体温高いんだな。
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