(2)徘徊

第9話

「お~ま~え~は、アホか!!」

気持ちの良い、晴天の朝。

俺の声が、屋敷に鳴り響く。


俺が、ここに来て三ヵ月が過ぎようとしていた。

ここ、は都会からかなり離れた村。

イクセリという。

蒼貴はその村のさらにはずれに住んでいる。

かなり広い屋敷に一人で、だ。

……蒼貴は信じられないぐ~たらで。

一週間前に片付けた蒼貴の部屋が、もう部屋の持ち主によってかなり散らかっている。

人型家庭用ロボットの俺、紅蓮は毎日片付けている、のだが。


……片付けても片付けても、片付かない。

なので。

俺はロボットのくせにイライラしている。

まあ。

蒼貴曰く、

「その為に召使いの君がいるんじゃない」

とふくれていう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る