第7話:プロット

12)プロット


 プロットとは小説の設計図的意味合いが強く、ストーリーの最初から最後までのシナリオやイベントの繋がりを視覚的に理解できるように図示したものです。


 しかしながら、どれくらい詳細にプロットを書くのかは作者によって違いますし、これといった決まりはありません。おおざっぱにイベントの繫がりだけのプロットを作成する作者もいますし、セリフに至るまでプロットで固めてしまう作者もいると思います。


 要はプロットを作成し利用することで、ストーリーが迷子になったり、風呂敷を広げすぎて収拾がつかなくなったり、とんでもない矛盾が発生したり、文字数が不足したり大きく超過したりすることを防ぐことができるようになります。


 たとえば十万文字強の作品を書く場合の、イベントの繫がりのみを示したおおざっぱなプロットを書くとして、オーソドックスな起承転結を例にすれば、


 起(イベント1)→承(イベント2)→(イベント3)→(イベント4)→(イベント5)→(イベント6)→転(イベント7)→(イベント8)→(イベント9)→結(イベント10)


 のような簡易的なプロットを作成し、各イベントとそれにまつわるシナリオを一万文字強書けばよいということになり、文字数管理が楽になります。


 たまに十万文字の長編なんて書けないという作者さんを見かけますが、初心者であってもこの程度のプロットならば書けるだろうし、あとは各イベントとそれにまつわるシナリオを一万文字強で仕上げて繋げていけば、十万文字強の作品は書けるはずです。なお、イベント数は10にこだわる必要はなく、減った場合は各イベントを長く、増えた場合は短くするだけです。


 創作に慣れていけばもっと複雑で詳細なプロットが書けるようになりますし、おおざっぱなプロットで充分な作者さんも居ると思います。


 また、執筆していくうちにキャラクターが勝手に動き出す作者さんも居ると思いますが、その場合はその時点でプロットを修正し、十万文字を大きく超過しないように管理すればいいだけのことです。


12-1)あらすじ


 この項目で言う「あらすじ」は、ストーリーの最初から最後までを千文字程度で説明した文章のことです。小説を執筆するときは、


 ログライン→設定→おおすじ→あらすじ→プロット→執筆


 みたいな感じで進めていくと楽なのですが、この順を守ることで各項目を考えやすくなりますし、あらすじを書くにしても、事前のおおすじが書けていれば、書いてない場合よりも格段に書きやすくなるはずです。


12-2)イベント


 各イベントはあらすじから抽出すればいいだけですが、次にプロットを書くことを考えて抽出するとわりと楽に書くことができます。もしこのとき抽出できるイベントの数が少なすぎたり多すぎた場合は、あらすじに手を加えればいいだけです。


 自分で決めた書きやすいイベント数になるようにあらすじを調整しましょう。筆者の場合はイベント数10個が一番書きやすいです。


12-3)伏線


 伏線が全く無いと、イベントが唐突に始まったり、ストーリーにぶつ切り感が出たりしてしまって読者脱落の原因になります。伏線は伏線と分かるようにプロットに書き込むようにして管理すると、回収し忘れや伏線無しを防げて便利です。


 伏線の意味が分からない初心者の方は、検索するなりして調べれば済むことなのでここでは言及しません。

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