第15話

「あ。やっぱりその弁当買ったんだ?」



もぐもぐと頬張る私のお弁当を指していう澤田さん。



「あ、はい。朝から目をつけてたんで」



咀嚼する口元を隠しながら言うと、「やっぱり匂いってそそるよね」と言う。


たしかに店頭で匂いを漂わされると、無意識のうちに購買意欲を掻き立てられる。



「これ、地鶏ですよね。すごく美味しいです」



そう言うと、「それはよかった」と嬉しそうに笑みを零す。


あれ。澤田さんって普段、無口で無表な印象だったけど、笑うとなんて言うか……



「急に親近感出ますね」



つい口から本音を漏らすと、「えっ?」と驚いた表情を見せた。



「いや、なんて言うか。今まで話したことなかったので、話すと意外って言うか…」



そこまで言って、これ、貶してないよね?なんて考えた。

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